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「ゾーンに入った」

 

そんな言葉がスポーツの世界で言われるようになったのはいつのころからでしょうか。

野球で言えばイチロー選手、陸上で言えば、少し前の話になりますが、朝原選手や為末選手などがそんな言葉を使っていたような気がします。

 

「ゾーンに入った」

 

というのは極めて集中した状態で、周りのものが止まって見えたり、音が聞こえなくなったり、無我の境地になる状態を指しているようです。

 

「ゾーン」という言葉が初めて日本で紹介されたのはプロゴルファーのデビッド・グラハムが著した、「ゴルフのメンタルトレーニング」という本ではないかと言われています。

 

彼は1981年の全米オープンでそんな体験をしたそうです。

 

周りのものがゆっくりと見えるような感覚、よく、交通事故にあった人間が、ゆっくりと自分が跳ね飛ばされているのがわかったというようなことを言いますがそれに近いかもしれません。

 

とにかく、普通の感覚ではないわけですよね。

 

競技としてスポーツに携わる人間なら誰しもそんな集中状態を自在に引き出して、いつでも最高のパフォーマンスをしたいと願っていることでしょう。

 

しかし、超一流のアスリートでさえ、「ゾーンに入った」と呼べる経験はわずかでしかないのです。

 

では、どうやったら、その「ゾーンに入った」と呼べるを体験することができるのでしょうか。

 

私が考える「ゾーン」発生の条件は「リラックス」にあると考えています。

 

そして、その「リラックス」を実現するためにはある条件が必要であると考えます。

 

それは「極限まで練習で自分を追い込んでいること」

 

練習において自分を本当に追い込んでいることで、練習よりも試合のときが楽になって余裕が生まれます。

 

つまり、リラックスできるようになるんです。

 

私が知っているテニスの全日本選手権上位進出者、彼は学生のとき、強豪校で毎日毎日嘔吐するくらいの激しい練習をさせられていたそうです。

 

もし、試合に負けると、その厳しい練習の毎日が待っている。

 

彼にとってその厳しい練習を逃れる数少ない方法の一つが、

 

「試合に勝ち残って、遠征先にとどまること」なわけです。

 

彼にとっては、練習ほどきついものはなく、試合はいつもリラックスした状態だったと言います。

 

自分自身にも似たような経験があるのですが、一番調子が良かったときは、毎日1セット30~50球の激しい振りわましの球出し練習を5セットぐらいしていました。

 

試合で30球とか50球とか連続で左右にコーナーぎりぎりまで振り回されることなんか現実にはないですよね。

 

プロの試合なんかではほとんどのポイントが6球以内のラリーで決着がつくと言われています。それ以上のロングラリーはあまりないわけです。

まあ、プロは200キロを超えるサーブがあるから当然ですけどね。

ともかく、試合で現実よりも激しい振り回しを経験することによって、試合で余裕が生まれる。

この「余裕」がリラックスを生むわけです。

 

私がちょっと厳しめの内容のハードなレッスンをしていると、「こんなきつい状況、試合ではありえない」などと言われる方もいるのですが、そんな方でうまい人を見たことがありません。

試合以上の練習をしていなくて、自分より強い相手にどうやって勝つのかと逆に聞きたいくらいです。もちろん、趣味や楽しみでテニスをやっている方にはそんなことを押し付けたりしませんけどね。

 

ゾーンに入りたければ最低限リラックスは必要です。

しかし、リラックスしていればゾーンに入れるかというとそんなことはありません。

 

リラックスはゾーンに入るための条件の一つにすぎないのだと思います。

 

ゾーンに入ったと呼べるように経験は本当に努力した人間にしか訪れないのだと思います。

 

Si cree en miraglos y nunca bajas los brazos,existe el Dios.

奇跡を信じてあきらめなければ神はいる

 

ゾーンに入ったと呼べるような瞬間はまさに神が降りてきたとしか思えないような信じがたい瞬間です。

そんな瞬間が訪れるようにするために日々努力ですね。

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