全仏オープンもいよいよ佳境に入ってきました。
錦織選手の快進撃はやはりさすが世界のトップ選手という感じですね。
それにしてもチョン・ヒョン選手との試合はヒヤヒヤものでした。
錦織圭選手自身もインタビューで言っていましたが、
「雨による中断がなければ負けていた」試合だったかもしれません。
それにしてもチョン・ヒョン選手は若いながらも素晴らしい動きをする選手でした。
この試合に関して、「日韓ライバル対決」なんてことを言って対立をあおるような人間も一部にはいましたが、おそらくほとんどの人間にとって「日韓」の対立などどうでもいいことのはずです。テニスなんて個人競技ですからね。
日韓の政治的な対立を、純粋にスポーツに打ち込んでる選手たちに背負わせるんじゃねえ!
と私は言いたい。
で、もう一つ。
「ライバル」なんてのもちょっと違うかな。
チョン・ヒョン選手の方がずっと若い。
ライバルなんてレベルではなく、チョン・ヒョン選手はもう間違いなく「次世代の選手」というのが正確です。
錦織選手はもうすでにベテランの域にさしかかっていて、台頭してくる次世代の選手たちの勢いに飲まれないようにしなくてはならないのです。
そんな焦りや、ケガの影響、思うようにいかないプレー、そろそろグランドスラムタイトルを取ってほしいという周囲の期待、、、
試合の途中でラケットを投げつけて感情をあらわにした気持ちはとてもよくわかります。
どれほどの想いを持ってその瞬間、その瞬間を闘っていることか。
多くの人が彼に寄せる期待。
錦織選手はそんな中で勝ち進んでいく。
本当に強いメンタルを持っている選手だなと感じました。
チョン・ヒョン選手とのファイナルセットに及ぶ死闘はドラマチックでした。
そのプレーの分析を私なりに書いてみましたので、ぜひ読んでみていただけたらと思います。
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プレーの分析などというと私レベルの人間がおこがましいですが、
錦織選手はチョン・ヒョン選手よりも常にコートの前にポジションをとっているのがわかりました。
これに対してチョン・ヒョン選手はベースラインの2、3メートル後ろに陣取って守りを重視する局面が多く、これが錦織選手をイラつかせたのだと思います。
錦織選手がエース級の強打をしても、ベースラインの遥か後ろから、緩いボールがとにかくしつこく返ってくる。
さらにいいコース、さらにいい球を打とうとした錦織選手にミスが出る。
その上、チョン・ヒョン選手はずっとベースラインの後ろにいるわけではなく、すきを見ては前に出てきて攻撃も仕掛けてくる。まさに変幻自在のプレーでした。
ところが、錦織選手はさらにその上を行くプレーをするんですね。
普通の人間にとって、クレーコートであれほどポジションを前にとっていることは考えられない、まさにクレージーと言ってもいいほどの場所に錦織選手はいるんですね。
前に立っているからこそ、角度のついたストロークが打ち込める。
ファイナルセットで見せた錦織選手のバックハンドのクロス。
これはまさに錦織選手の真骨頂ともいうべきものでした。
何度も言いますが、クレーコートであんなに前に立ってボールを打つなんて、普通の人間はできませんよ。
テレビで見ていると軽々と打っているように見えるプロのショットも、実はすごい技術が詰まっているんです。
ある人は言いました。
「難しいことを簡単に見せるのがプロスポーツ選手。難しいことを難しく見せるのがサーカス団員。」
名言だと思います。
ではまた。
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