この講座は、
「読むテニスの教材」として、
テニスのレベルアップに役立つ情報や、
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などを紹介していきます。
今回はラケットの話です。
テニスラケットの
「トップヘビー・トップライト」
という言葉をみなさんはご存知ですか。
この言葉は、ラケットの重心(バランスポイント)が、ラケットのどのあたりの位置にあるかを示す言葉で、そのラケットの性質を大きく左右します。
ラケットのスペックを見るときには、ラケットの重さだけではなく、バランスについてもきちんと見るようにしましょう。
今回の記事では、みなさんにラケットのバランスについての理解を深めていただきます。
みなさんがラケットを購入する際に、バランスを見て自分に合っているかどうかを判別できるようになることを目指します。
では、イグゾー!
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ラケットの重心であるバランスポイント。
ざっくり言うと、このラケットのバランサーが貼られているあたりがバランスポイントになるのが通常です。
このバランスポイントがラケットの中心から、ラケットヘッド寄りに存在するのがトップヘビー。
反対にグリップエンドに近い方に存在するのがトップライトと呼ばれます。
ちょうどど真ん中にあるものをイーブンバランスと呼んだりもしますが、あまり使うことはない表現かもしれません。
で、ラケットのバランスをどう測るかなんですが、こんなボードの上に乗せて測ります。
わりとアナログなヤツです(笑)
ま、1mm単位でバランスの数値にこだわる方はともかく、先が重いか、手元が重いかぐらいは、専用の機械がなくても大まかにはわかります。
ラケットのこの部分を持ってどちらに傾くかをテストしてもらえばわかります。
頭の方が下になればトップベビー、頭が上になればトップライトです。
ちなみに一般的にバランスポイントがどの辺にあるかということなんですが、これはグリップエンドから何ミリ先にバランスポイントがあるかということなんですが、だいたい320mm前後のとこにあるのが通常です。
試しにバボラのピュアドライブを参考に見てみましょう。
このラケットの重量は300gバランスポイントは320mmとなっています。
いわゆる黄金スペックと呼ばれるラケットの重量とバランスはこんな感じです。
黄金スペックについてはこちらの記事をご覧ください。
大まかな傾向ですが、310gから320gくらいのツアーモデルと言われるようなモデルは、ラケットの全体重量が重たい代わりに、バランスポイントが310㎜くらいとトップライト設計だったりします。
一方で、270gくらいの軽い初心者向けラケットや女性向けラケットは、全体重量が軽い代わりにバランスポイントが330㎜とか先の方にある、ややトップヘビー気味の設計になったりしています。
たったの10㎜、すなわち1㎝バランスポイントが変わるだけで、振っている感覚はまるで変ってしまいます。
人間の感覚は非常に繊細で、10㎜どころか、5㎜の違いでも、確実に違うとわかります。
では、トップヘビーとトップライトでどのような違いが生まれるのかということを次に解説していきます。
トップヘビーの特徴ですが、それはもうとにかく威力が出るということです。
ストロークや、サーブで重たい一撃を生み出すことができます。
その反面、重たく感じるので扱いがしづらくなります。
ストロークでは、振り遅れずにラケットを振っていくだけのパワーが必要になります。
よく例えに出されるのが、金槌の話です。
金槌の柄の部分を握ると、先が重く感じますが、反対側の金槌の頭の部分を握ると同じ重量なのに軽く感じてしまいます。
先っちょが重たいトップヘビーのラケットは、金槌、ハンマーみたいなものなのです。
ハンマーと言うと、錦織圭選手がジュニアの頃に使っていた ラケットは、ウィルソンのハンマーシリーズと言って、トップヘビーのものでした。
錦織圭選手は現在でも、かなりトップ側が重たいラケットを使用していますね。
トップライトの特徴ですが、操作性がよくなります。
ボレーなんかは圧倒的にトップライトの方がしやすくなりますね。
ダブルスプレーヤーなんかは、操作性が向上するようにトップライトのラケットを好む選手が多いです。
また、ボレーに重点を置く選手の場合、ボレーのときにラケットが相手のボールの勢いに負けないように、全体重量としては重たいラケットを使うという傾向があります。
トップヘビーのラケットに比べると威力は劣りますが、その分、全体重量が重たいラケットを使うことで打ち負けないようにするというのが、トップライト設計のラケットの基本的な考え方です。
先ほど錦織圭選手が使用するラケットのお話を少ししましたが、そのコーチであるマイケル・チャン氏の現役時代のラケットは対照的。
マイケル・チャン氏は選手時代にラケットのトップのグロメットを外したりしてトップを軽くしていました。
ボレーヤーというよりも、完全にストローカーのイメージのマイケル・チャン氏ですが、身長175㎝と男子のツアー選手の中では小柄で、パワーがある方ではありませんでした。
パワー不足でもスイングスピードを一気に上げてボールをひっぱたけるようにするためにとったのが、このようなトップライトのラケットを使うという選択だったのでしょう。
また以前にも書きましたが、マイケル・チャン氏は、現役時代、長いラケットを使っていました。
長いラケットで、先の方が重たいと扱いづらいために、先の方を軽くするという考えだったのだろうと思われます。
トッププロでも、トップヘビーだったり、トップライトだったり、使用するラケットは様々です。
ということで、プロの選手も使うラケットは様々なので、傾向を見出すのはむつかしいのですが、一般人よりも、極端に重たいラケットや、極端にトップヘビーのラケットを使ったりする選手も結構います。
彼ら、彼女らの筋力は尋常ではないですからね。
プロの選手であれば、極端なトップヘビーのラケットを使っても大丈夫なのでしょうが、一般人には、そんなものまともに振れるわけがありません。
プロストック?な超重たいプロ仕様ラケット。
全体重量がこの状態で350gとか、、、
そんなわけで、市販のラケットの場合、トップヘビーのラケットは、軽いラケットに多いです。
トップが重い代わりに、全体重量が軽いので一般人でも振れます。
ラケットの全体重量が軽い上にトップライトの設計では、相手のボールに打ち負けてしまうので心もとないですから、全体重量が軽い上にトップライトというラケットはあまりないかもしれません。
また市販のラケットの場合は、ツアーモデルと言われる重たいラケットに、概ねトップライト設計のものが多いです。
ツアーモデルと言われる重たいラケットは320gとかあったりするのですが、アマチュアの場合、それがトップヘビーだったりすると、かなりしんどいわけです。
一部の競技レベルが高いプレーヤーには売れるかもしれませんが、一般受けしないラケットをラケットメーカーが作ったりはしません。
ラケットメーカーは、山奥で名刀を作ろうとしている刀鍛冶ではないので、コモディティ(誰もが使うもの)を作らないといけないのです。
そんなわけで、少し重ためのトップヘビーラケットというのは意外と少数派。
ということで、最後にそこそこの重さでトップヘビーのモデルをいくつか紹介します。
トップヘビーのラケットを集めてみました。
ウィルソン ブレード
ウィルソン ウルトラ 錦織圭選手のラケットと同じシリーズですね
ヘッド ラジカルMP
まあ、いずれも市販モデルなんで、極端なトップヘビーではないです。
トップヘビーのラケットにしたければ、少しカスタマイズは必要でしょうね。
カスタマイズはこちらを参考にどうぞ。
このバランサーを使います。
リードテープ(レッドテープ)と呼ばれたりするものです。
いかがでしたでしょうか。
トップヘビーとトップライトの違いはおわかりいただけましたか。
これからはラケットの重さだけでなく、バランスにも注意を向けてください。
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