今回はメンタルに関する記事です。
ラファエル・ナダル選手を題材にお話をさせていただきます。
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さて、先日の全仏オープンテニス男子シングルスにおいて、ラファエル・ナダル選手は11回目の優勝。
とんでもないことですよ。
プロのテニス選手にとって、たった1度でもいいから手にしたい、夢のグランドスラムタイトル。
それを11回も手にしているのですから、もうこれは尋常ではないんです。
ラファエル・ナダル選手は10代のころから目覚ましい活躍を見せつけ、昨年10回目の優勝をしていました。
それを記念して、契約メーカーであるバボラからピュアアエロ・デシマ(デシマとは10回という意味)
という記念モデルが発売されたのですが、今年あっさり11回目の優勝。
バボラ(Babolat) ピュアアエロ Decimaデシマ FrenchOpen(300g)BF101385(海外正規品)【2018年3月登録 硬式テニスラケット】[☆nc] 価格:23,580円 |
10回目の優勝はもう過去のものですから、この商品は後々価値が出るかも。
今のうちに買っておいた方がいいかもしれません。
さて、ちょっと話は飛びますが、このピュアアエロ・デシマとその原型となったピュアアエロ。
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下のリンクは通常バージョン。
価格:18,200円 |
ぜひこちらもお読みください。
https://mindtennis.net/2018/06/17/racket-10/
https://mindtennis.net/2017/12/26/racket-5/
ちょっと話が脱線しました。本題に戻ります。
ラファエル・ナダル選手のプレーを1回戦から何試合か追ってみていましたが、通常の選手よりもかなり後ろにポジショニングをしていますね。
錦織圭選手などは、攻撃的にプレーするために、ベースライン付近から前に踏み込んで、高い打点でボールを鋭く打ち込むプレーが目立っていたのですが、それとは対照的です。
かなり後ろに立っている。
準優勝したドミニク・ティエム選手も同じなのですが、上位まで勝ち上がった選手はかなりの選手が、後ろに陣取っているんです。
ティエム選手に関しては全仏オープン期間中に記事を書きましたのでこちらもご覧ください。
https://mindtennis.net/2018/06/05/backhand-4/
ナダル選手とティエム選手、彼らはコートの後ろにポジショニングをしてディフェンスをしていたのではありません。
ベースラインのはるか後ろから、猛烈なスイングスピードでストロークを放ち、攻撃を仕掛けてきていたのです。
前に踏み込んで打ってくる選手と同等か、それ以上の球が、ベースラインのはるか後ろからでも打てる。
対戦相手からしたらもう絶望的なわけです。
後ろにポジショニングをしていることで、相手からの攻撃は守りやすい。
その上で攻撃をしかけてくる。
この攻防一体となった無敵の状態。
これが、ナダル選手とティエム選手の強さの秘密です。
そして、決勝の様子を見ていると、ナダル選手はティエム選手よりもその攻撃力が1枚も2枚も上手だったということですね。
ナダル選手の攻撃力は尋常ではありませんでした。
男子のテニスで6-1とか6-2というスコアが並ぶのは、大きな力の差があるということです。
ラファエル・ナダル選手のあの猛烈なフォアハンドのストローク。
あれを真似してみようと思っても、アマチュアのレベルでは到底無理です。
ナダル選手のあの腕を見てください。
ナダル選手は、連覇が途切れた一時期、体の線が細くなったこともあったのですが、気のせいか、ここ最近また二の腕周りの太さが太くなってきたような気がします。
要するにあれくらいの筋力がないと、あのスピンは真似できません。
「いやいや、私は真似できてますよ。」という方がたまにいます。
私は以前試合に出ていたころ、いかにもナダル選手の真似をしているんだなという選手と戦ったことがあります。
ナダル選手と同じラケットを使い、強烈なトップスピンをかけてきているつもりなのでしょうが、、、
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どうもごちそうさまですというぐらいおいしい相手でした。
ナダル選手ぐらいスピンをかけられるのでなければあのスピンの打ち方は真似しない方がいいでしょう。
私もスクールで生徒さんにあの打ち方は勧めていません。
何より、一般の方が真似すると、ケガをする可能性が高いです。
じゃあ、ラファエル・ナダル選手から何を学ぶかと言えば、その紳士的なマインドをぜひ学んで欲しいと思ってこの記事を書いたんです。
ナダル選手、実はあることで有名なんです。
それは、試合中に「自主的に故意にラケットを破壊したことがない数少ない選手」だということです。
フェデラー、マレー、ジョコビッチ、そして我らが錦織圭選手。
彼らはもちろん偉大な選手なんですが、残念なことに試合中にラケットを投げつけるシーンが見られたことがあります。
(フェデラーは最近やりません。)
それはこの記事において指摘していますので、ぜひ読んでください。
ラケットを折るとどうなるか(この記事の後半に書いています)
https://mindtennis.net/2018/05/22/mental-11/
ナダル選手はラケットを非常に大切にしています。
超一流の選手になろうと思えば、ぜひこの考えを持ってほしいと思うのです。
違う競技の話になりますが、イチロー選手が道具を大切にするのは有名ですね。
錦織圭選手もあれくら道具を大切にする姿を見せてほしいと思っています。
私は自らが勤務するテニススクールで、子どもたちに、
「ラケットを投げてはいけない。」
と当然教えていますが、子どもたちから、
「錦織圭選手も投げてたよ。」
と言われると、非常に心苦しいのです。
もちろんそれでもダメなものはダメだと教えますけどね。
子どもたちにはナダル選手のような、道具を大切にするマインドをぜひ身につけてほしいと思っています。
もちろん大人も。
ラケットを投げてほしくない。
それは、私自身がそのようなマインドを持っている選手ではなかったからなんです。
そんな私が子どもたちにラケットを投げるなと教えるのは「なにをかいわんや」という話かもしれません。
説得力がない話かもしれません。
しかし、私は、自分のことを反面教師に子どもたちにがんばってほしいと思っています。
私の失敗を見て学んで欲しいのです。
私も10代でテニスを始めてから、ラケットを何度か投げて折っています。
もともと癇癪持ちな性格。
うまくいかなければすぐにイライラする。
そんな性格でした。
でも、それでは勝てないと心を入れ替え、ラケットを決して投げないように20代から変わったのです。
20代前半から28歳まで、ラケットを一度も投げつけることはなかった。
このときは、メンタル面でも、技術面でも非常に進歩したと感じたんです。
テニスが一番うまくなったのもこの時期かもしれません。
ところが、28歳になって、30代が目前に迫ってくると、「焦り」を感じ始めます。
今の自分がこの程度の実力ではもう先がないかもしれない。
その焦りはやがてうまくいかない自分への「怒り」に変わります。
そして、練習中に一本ラケットを折ってしまいました。
そうするとどうなったか。
今まで何年間もイライラする自分を抑えながらプレーすることができていて、試合中劣勢でも落ち着いて挽回するプレーができていたのに、とたんにできなくなってしまったのです。
競った試合では、必ず最後に競り負ける。
そしてまたイライラし、ラケットを叩き付ける。
悪循環の始まりでした。
そこから私は停滞しました。
メンタル的にも、技術的にも、先に進まなくなってしまったのです。
一本のラケットを折ったことで、歯止めが利かなくなった。
もうそれはテニスの神様の怒りをかって、呪われたように、テニスがうまくならなくなったのです。
もちろん、科学的に考えれば神様の怒りだとか、呪いだとかで説明するつもりはありません。
一つ言えるのは、ラケットを折るようなマインドは確実に自身のテニスの進歩を妨げる要因となるということです。
奇しくも錦織圭選手が現在28歳。
30代を目前にしてどこか焦っていないか心配しています。
テニスの腕前では錦織圭選手の足元にも及ばない私ですが、年齢だけは私の方が上。
先に30代を迎えたものとして、言えることは一つ。焦らずがんばってほしいなということです。
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無敵の王者ナダル。
あの様子だとあと2、3回全仏オープンを制覇しても不思議ではありません。
すぐれたマインドを持つ王者からわれわれが学ぶことはこれから先もたくさんありそうです。
よくよく吟味あるべきものなり。
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