この講座は、
「読むテニスの教材」として、
テニスのレベルアップに役立つ情報や、
テニスの上達法、
テニスの練習法、
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などを紹介していきます。
今回はラケットの話です。
BIG4と呼ばれる選手たちが活躍する少し前の選手の話になりますが、生ける伝説とまで呼ばれたスーパースター、アンドレ・アガシ選手について書いてみたいと思います。
少し前に自伝を出したアンドレ・アガシ選手。
アンドレ・アガシ自伝
薬物の使用とか、ショッキングなこともありますが、彼が残してきた実績はやはり素晴らしいものがあると思います。
身長180cmと、男子のトッププロの中では決して恵まれた体格ではないにも関わらず、数々の偉業を成し遂げたスーパースターのアガシ選手。
色々調べてみると、使っていた道具もまた常人には到底真似出来ないものばかりでした。
そんなアンドレ・アガシ選手の使用していたラケットやストリングなどについて書いてみたいと思います。
アンドレ・アガシ選手の使用するラケットと言えば、
ヘッドラジカルシリーズですね。
ドネーやプリンスのグラファイトを使っていた初期の頃も印象的ですが、やっぱりアンドレ・アガシ選手と言えばこのラケット。
復刻版が25周年記念として出ています。
今もその後継機種がずっと続いているラジカルシリーズ。
HEAD(ヘッド)GRAPHENE(グラフィン)360 RADICAL(ラジカル)MP(ミッドプラス エムピー)レビュー
最新版もTwitterで話題です。
HEAD様から贈り物が!!
いやー!良い!
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— fumio takita (@crazy_tacky) November 6, 2020
今やラジカルは多くのプレーヤーに愛される汎用モデルという印象かもしれませんが、もともとはアンドレ・アガシ選手のためのモデルという感じのラケットでした。
アンドレ・アガシ選手は、多くのツアープレーヤーの中で、珍しくオーバーサイズのラケットを使うプレーヤー。
男子では極めて珍しいですね。
マイケル・チャン選手もオーバーサイズのプリンスグラファイトでしたっけ。
オーバーサイズのラケットを使う選手なんて、ちょっとそれくらいしか思いつきません。
最近では日本の伊藤竜馬選手が大きいサイズを使用しているくらいでしょうか。
男子のプロと言えば、面のサイズは大きくても100平方インチが通常。
女子でも、セリーナ・ウィリアムズ選手が少し大きいラケットを使ってるくらいですね。
また、特殊なのは面のサイズだけではありません。
驚くべきはそのストリングパターンです。
最初の頃は18×19というストリングパターンだったそうですが、一時期はなんと、
縦糸:20本
横糸:21本
という特殊なものを使っていました。
ちょっと想像がつかない感覚です。
もう、これただの板みたいな感じじゃないかな(笑)
まあ、唯一救いなのは、オーバーサイズなので、面圧は通常のラケットの18×20に近いかもしれません。
にしても、この糸の本数ですよ。
しかも、オーバーサイズなんで、
単張りのパッケージじゃ、一本分張れないです(笑)
足りないじゃないか!(笑)
ストリングパターンの違いにより、どのような影響があるか、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
では、そんな密なストリングパターンのラケットに張られていたストリングについて見てみましょう。
アンドレ・アガシ選手の使用するストリングについてです。
初期の頃はケブラー繊維のストリングを使っていました。
ケブラー繊維と言うのは、防弾チョッキに使われる繊維ですね。
弾丸を食らっても切れない繊維なわけですから、その耐久性は半端ないのです。
ちなみに防弾チョッキというのは、弾丸が身体に侵入しないように身体の表面付近で弾丸を受け止めるというだけのもので、弾丸の衝撃自体はモロに食らうそうです。なので、弾丸が身体に侵入して、内臓や血管を損傷するのは防ぐだけです。弾丸の衝撃自体まで無効化するわけではないので、肋骨は普通に折れます。防弾チョッキ着てれば、安心なんてことはないのです。
辛うじて死なないだけです。
あ、話がそれました(笑)
そんな防弾チョッキに使われるようなケブラー繊維のストリングですが、最近はまあ、見かけなくなりましたね。
一昔前、20年前の2000年あたりなら、まだテニスショップの一角にひとつくらいケブラーのストリングが並べられてあったりしたんですが、今はひとつもないところが普通でしょう。
「アラミックス」という名前のストリングが存在したのですが、今はネットで探すのも困難なほど。
今はポリエステルのストリングが全盛ですからね。
アンドレ・アガシ選手自身も、後にポリエステルストリングを使い始めます。
使用していたのはルキシロンのアルパワー。
アガシ選手は、その性能を、「チーティング」とまで絶賛。
つまり、卑怯なほど凄いということですね。
なんせ、世界中のトッププロがこぞって使う最強のストリングですからね。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
猛烈なパワーをケブラー繊維のストリングで抑え込んでいたアガシ選手が、そのパワーをアルパワーで増幅させてくるようになった。
これはもう、相手選手もお手上げですね。
で、アンドレ・アガシ選手のストリングを見ていると、そこについている振動止めは、ちょっと特殊です。
そんなわけで、次にアンドレ・アガシ選手の使用する振動止めを見てみましょう。
アンドレ・アガシ選手の使用する振動止めは、なんと輪ゴム(笑)
お札を束ねる少し幅の太いものだそうです。
真似するなら、こんなもんで十分じゃないかな。
輪ゴムなんか本当に効果あるの?
と思われる方も多いでしょう。
しかし、これを絶賛するプレーヤーは多数。
アンドレ・アガシ選手のほかにも真似をする選手が多数現れました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
アンドレ・アガシ選手は若い頃からとってもオシャレ。
肩よりも下まである金のロングヘアをなびかせてプレーする姿は鮮烈でした。
ジーンズを短く短パンにカットしたものを履いていたり。
ともかくそのファッションは物議を呼ぶほど個性的でした。
今でこそテニス選手のウェアは派手なものが多いですが、かつてテニスと言えば、白基調のポロシャツが原則。
筆者も高校生のころまでは、白のウェアじゃないと学校から出場する試合に出れない時代を生きてきました。
戦時中じゃないよ(笑)
さて、長髪がトレードマークだったアガシ選手もいろいろありまして(笑)
その後はNIKEのド派手なウェアにバンダナを巻いてプレー。
ボウズ頭にヒゲも生やして、長髪の頃とは別人に。
そんなアガシ選手でしたが、引退間際には、adidasの契約となっておどろかされました。
ヒゲも剃ってツルツルになったアガシ選手は、まるで修行僧のようでした。
テニスに対する考えもストイックな求道者のようになっていました。
アガシ選手が、多くの選手から尊敬され、慕われるのは、単にテニスの実績からだけでなく、そのテニスに対する姿勢からだったに違いありません。
いかがでしたでしょうか。
引退したあともなお、多くのファンから愛されるスーパースター、アンドレ・アガシ選手。
今後は指導者として、名プレーヤーを生み出すことでしょう。
注目です。
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