まさかラケットを折るとは、、、
まさかラケットを折るとは、、、
って、私の話ではないです。こないだニュースを見ていると錦織圭選手がラケットを折っている姿が見られました。
日ごろから冷静で、落ち着いた試合運びをする錦織圭選手であるがゆえに驚いた方もたくさんいらっしゃるかと思います。
これが、ジョコビッチとか、ワウリンカとかなら「わりとよく見る光景」ぐらいで終わっていたかもしれませんが、錦織選手がラケットを折ると、ヤフーニュースのトップにきちゃうんですね。
試合をリアルタイムでみたわけではないので、はっきりとしたことは言えませんが、試合の展開や直近の大会で思いどうりに事が運ばず、イライラしていたのかもしれません。ラケットを折りたくなる気持ちがわからないでもないです。
あれを見ると、すぐに「ラケットを折るなんてとんでもないことだ。」と批判する人もいるんですが、まあ、プロの選手にかかっている重圧とかストレスって尋常じゃないんですよ。
私なんかはつい選手に同情してしまいますね。
錦織選手もその試合は負けてしまいますが、本人がラケットを折ってしまったことを一番後悔しているかもしれません。
これが、かつて悪童と呼ばれたジョン・マッケンロー選手とかジミー・コナーズ選手とかだとですね、あ、古い話題で申し訳ない。1980年ごろの選手の話ですね。もちろん私もリアルタイムで見ていた世代ではありません。
彼らは、ラケットを、年間で何本も叩き折ってるんですよ。
マラト・サフィン選手、この選手は10年前ぐらいのスーパースターですが、彼は年間に50本近くラケットを叩き折ったこともある暴れん坊です。
彼らのようなラケット破壊のいわば常習犯的な選手は、ラケットを折っても、はっきり言ってなんとも思わないんですよ。
これが錦織選手との違い。
ジョン・マッケンロー選手なんて、ストレスをため込むぐらいなら、一本ラケットを叩き折って、すっきりとした気持ちで次のポイントに向かった方がいいというぐらいにしか思ってなかったでしょうね。
錦織選手なんかはとても優しいですから、きっとラケットを折ったあとは気持ちの面で少しそのことを引きずっていたでしょう。
本当にプロの世界のメンタルというのはわれわれの及びもつかないレベルの話なんだと思います。
ラケットを折って気持ちを切り替えて、その試合で勝てるならその選択を彼らはするでしょう。何百万、何千万というお金がかかった試合です。
それに対して、破壊するラケットは彼らにとって無償。スポンサーが提供するのですから、われわれアマチュアのようにお金を出して買ったラケットではありません。
単純に経済的な観点だけからすれば、ラケットを叩き折る方が合理的な選択と言えるのです。
ただね、もちろん私も自分が教えている子供たちにラケットを折っていいとは教えません。
プロスポーツと違って、アマチュアスポーツは道徳教育の実践という側面があるんでね。
ではまた。