HEAD(ヘッド)ADAPTIVE(アダプティブ)が面白い!
今回はラケットの話です。
管理人は現在バボラのピュアドライブ(300g)を使っています。
テニスは道具を使うスポーツ。
道具選びってとっても大事ですよね。
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現在売られているテニスラケット、どれも素晴らしいものばかりです。
どのメーカーも性能を上げるために必死で工夫をこらしてきているわけですから。
それだけに、たくさんのラケットを目の前にすると、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
ただ、その中でも現在売られているラケットの中で、異彩を放つ商品があります。
今回はそれを紹介します。
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私は基本的にラケットというのは使う本人にとって使いやすければそれでオッケーだと思っています。
使っている本人が、「これが一番」と思っているものに対して、外野である私が、
「そのラケットが良いとか悪い」とか言うつもりはありません。
これはテニスにおいてだけでなく、すべてにおいてそうなんですが、道具というのはずっと使い続けて手になじんだものが最強なんですよ。
よく人間国宝と呼ばれるようなクラスの芸術家や大工さんなんかが、とんでもない変な形の古い道具を使っていたりしますよね。
長年使ってその人になじんだものって、もうただの道具というレベルではなく、その人の身体の一部みたいなもんですよ。
ですから、外野にいる人間が、その道具は使いにくいだろうな、不合理な選択だなと感じたとしても、本人にとって使いやすければそれは「良い道具」なんですよ。
今回紹介するラケットは、数あるテニスラケットの中で、ちょっと異彩を放っているものです。
これがそのラケットです。
HEADのアダプティブシリーズのラケットです。
アダプティブシリーズは今回HEADが新たに発売したラケットで、その特性は何といっても、重さやバランスを自分好みにカスタマイズできるということです。
ラケットフレームにアダプティブと書かれていますね。
これはアダプティブシリーズのインスティンクト。
おなじみジョコビッチモデルにもアダプティブタイプがあります。
こちらはアダプティブシリーズのスピード。
「自分の好きなデザインのラケットを買って、自分好みに調整できる。」
これってめちゃくちゃ画期的なことなんですよ。
ラケットっていうのは基本的にスペックが決まっています。
重さが300gとか310gとか、バランスが310mmとか320mmとかね。
で、プレーヤーはその中からお気に入りの一本を選ぶ。
テニスを競技でやっている人間なら、デザインはもちろん大事ですが、それよりもはるかに大事なのが、重さ・バランスなどの基本スペックです。
ですから、基本的には、
「デザインはAのラケットが好きだけど、スペックはBの方がいいからBのラケットを使う。」
と考えるのが普通です。
選手であればね。
趣味でテニスをやってるだけの人は、デザインだけでラケットを決めるということもよくある話かもしれませんが。
デザインもスペックも100%自分の好みのラケットにはなかなか出会えないもんなんですよね。
プロの選手なら話は別です。
彼らは自分好みのデザインのラケットを自分好みのスペックに調整できるんです。
ごく一部のトッププロの特権ではありますけどね。
プロ選手は基本的に市販されているラケットとは全然別のものを持っていると考えてください。
プロ選手は「プロトタイプ」と呼ばれる型のラケットに、例えばグリップ部分にシリコン樹脂を注入したりして重さバランスなどを調整した特注品を使うようです。
で、そのラケットに市販されているラケットと同じような塗装をします。
この塗装部分を「コスメティック」と言ったりしますが、ようするに外側だけ市販品と同じなわけですね。
あなたが、プロ選手と同じラケットだと思ってお店でラケットを買っても、ほとんどの場合、同じなのはデザインだけです(笑)
そりゃそうですよね。
190cmぐらいある筋骨隆々のプロレスラーのような体格の選手が、運動不足でときどき足がつってるようなおじさん・おばさんと同じ道具のわけがありません(笑)
それでもテニスショップではジョコビッチ選手使用モデル!とか、ナダル選手愛用ラケット、とかフェデラーモデル、マレー、ワウリンカ、、、なんて書かれたラケットが売られてますけどね。
これは詐欺じゃないかという話はさておき、そのようなプロ選手が行うような「ラケットのチューニング」は一般のアマチュア選手にとっては縁遠いものだったんですね。
今まではね。
しかし、アダプティブシリーズは違います。
ラケットのグリップ部分がいくつかのパーツでできていて、その部分を交換することにより、ある程度自分好みのスペックにチューニングできるわけです。
実はこれまでも、たとえば、ヨネックスなんかはラケットを自分好みのスペックにオーダーできるというサービスを数年前からやっていました。
ただ、この場合は注文時にスペックを何種類かの中から選べるというだけで、その後に完成品をいじって重さやバランスを変えたりということはできませんでした。
これに対して、HEADのアダプティブシリーズは自分好みのスペックに何度も調整が可能となるという点で画期的だったわけです。
ただ、そうは言っても、まだまだ発売されたばかりの商品。
アダプティブシリーズにはまだまだ改善の余地があります。
グリップ部分がいくつかのパーツでできているために、パーツ同士の接合部分が若干弱くて、もろい印象を受けました。
ここが一番の弱点かな。
「一般のアマチュア選手であってもラケットのチューニングができる」というコンセプト自体は非常に面白いだけにちょっと惜しい。
アダプティブシリーズのラケットはグリップ部分を軽く握っただけで「ギシギシ」とパーツがきしむ音が聞こえるんです。
グリップはプレーヤーとラケットをつなぐ接点の部分であり、プレーヤーはここから伝わるラケットからの振動を感じながらプレーします。
その肝心な部分にもろさが感じられるというのは、プレーヤーという立場からすると、非常に心もとないのです。
また、グリップ部分がギシギシと音を立てるということは、パーツとパーツの間に隙間が存在するということです。
ということは力の伝達において必ずロスが発生します。
もう一つね、私は冒頭で道具が「手になじむ」ことの大切さについて言及しました。
グリップ部分がギシギシと動いてしまっているようでは手になじみにくそうです。
どんなラケットにも強みと弱みはあります。
このHEADのアダプティブシリーズ、まだまだ未完成で粗削りな部分を差し引いても、自分でカスタマイズできる魅力を取るのであればそれも良し。
という感じですかね。
まだまだこのアダプティブシリーズのラケットは発展途上だと思っています。
ラケットを自分でカスタマイズできるというコンセプトはまだまだ始まったばかり。
夢がありますね。
よくよく吟味あるべきものなり。
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