ソフトテニスとテニスのボレーの打ち方 考え方の基本

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はじめに

 

今回の記事はソフトテニスからテニスに転向された方に向けたボレーに関する記事です。

ソフトテニス未経験の方にも役立つ内容となってますので、是非お読みください。

 

以前に書いたソフトテニス経験者向けのバックハンドに関する記事は読んでいただけましたか?

ソフトテニスとテニスのバックの打ち方

https://mindtennis.net/2018/05/05/backhand-3/

ぜひこちらも参照してください。

 

管理人の山口は、中学校3年間でソフトテニスを経験しています。

それと並行して(硬式)テニスもしていました。

今回はソフトテニス・テニスの両方を経験しているコーチとしての視点からお話しさせていただきます。


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ソフトテニスのボレー

 

まず、ソフトテニスのボレーがどんなものかというお話をさせていただきます。

 

ソフトテニスをされている方にはもう当たり前かもしれませんが、後述するテニスのボレーとの根本的な違いを理解するために、おさらいしておきましょう。

 

グリップについて

ソフトテニスのボレーのグリップは、このようなウエスタングリップが基本となりますね。

ラケットを地面に置いてそのまま拾い上げるとこのような持ち方になるでしょう。

あるいは、ボールをドリブルするようにポンポンと地面につくときの持ち方と言えばわかりやすいでしょうか。

まあ、ソフトテニスの場合は、ボレーに限らず、ほぼすべてのショットをウエスタンで打ちますね。

よりハイレベルなプレーヤーになってくるとグリップチェンジもするみたいですが、中学生のときに少しソフトテニスをやっていたというぐらいのレベルの方であれば、ほとんどの方がこのウエスタングリップのみでプレーしていたのではないでしょうか。

 

打点について

打点は顔の真正面、あるいは、顔の近くになります。

ウエスタングリップで握っている場合、ラケットを顔の前に構えると、ラケット面が相手の方を向きます

なので、そのまま打ってしまえばその方向にボールが飛びます。

また、顔の真正面か顔の近くの位置で打つのは、そこが一番力が入るポイントになるからです。

ウエスタングリップで握っている場合、最もボールを打ちやすいのがそこになるということ。

グリップと打点は1つのセット」です。

つまり、ウエスタングリップと顔の近くの打点がセットということです。

後述しますが、グリップが変われば打点も変わります

 

打ち方について

ラケットをしっかりと立てて、ボールを「押し出すように」して打つ。

これが、ソフトテニスのボレーの基本です。

足は左右どちらが出てもあまり関係ありません。

体の正面でボールを打つので、踏み込み足はどちらが出ても大きな問題はありません。

 

立ち位置について

ネットにべったり張り付くようにして構えるのが基本です。

強いペアほど、前衛は前に立っているものです。

ボールをぶつけられる恐怖心との戦いになりますが、強い人は前にいる。だからネットミスをしたりしない。

 

(硬式)テニスのボレー

 

では、いよいよ(硬式)テニスのボレーの話に移ります。

先述のソフトテニスのボレーとの違いに注意しながら読み進めてください。

 

グリップについて

(硬式)テニスのグリップはこのようなコンチネンタルグリップが基本となります。

テニススクールではよく「包丁にぎり」と説明するのですが、ラケットをはさむようにして握ります。

ソフトテニスから転向される方は、まずこのグリップに慣れないといけません。

 

打点について

コンチネンタルグリップで握ると、顔の前でラケットを構えたときにラケットの面ではなく、フレームが相手の方を向きます

そのため、顔の真正面ではボールを打てません。ボールを打つのは顔から少し離した位置となります。

ただ、あまり遠くでボールを打つと、しっかりとボールを見ることができません。

打点の離し過ぎには要注意です。

先ほどもお話ししましたが、「グリップと打点はセット」です。

なので、ソフトテニスから転向された方が、正しくコンチネンタルグリップをできるようになった場合、打点も当然変わります

よくある間違いを紹介します。

コンチネンタルグリップを習っても、ソフトテニスを経験されていた方は今までと同じように顔の正面でボールを打とうとしてしまう。これだと顔にボールがぶつかるかもしれません。危ないんです。

それだけでなく、コンチネンタルグリップの場合、顔の正面は力が入りやすいポイントではないのです。

 

打ち方について

ラケットを立てて使いますが、ソフトテニスのようにラケットヘッドを真上に立てて打つのではなく、少し寝かせて斜めにして打ちます。後述のスライスをかけて深く打つためです。

少しスライスがかかるようにして打つのが基本です。

だからコンチネンタルグリップで握るのです。

ただ、ボールをちょんぎってはいけません。

最初に「少し」スライスと書いたのですが、「少し」というのがポイント。

ボールに強いバックスピンをかけてボレーを打つものだと勘違いされている方が多いのですが、回転が多すぎると、滞空時間が長くなりすぎて、鋭い球は飛んで行きません。

というか、そもそもそんなに回転をかけようとすると、ボレーをするときにラケットが上から下に大きく動きすぎるので、まともにラケットの真ん中に当たらないでしょう。

これはスクールの初中級・中級レベルの方にもよく見受けられる間違いです。

 

次に出す足についてです。

フォアのボレーで左足、バックのボレーで右足を出します。(右利きが前提)

歩くのと同じように手と足を出そうね」と子どもたちには教えます。

これは、やはり、コンチネンタルグリップでボールを打つからなんですね。

ラケットは構えたときにフレームが相手を向いている。だから、少し体を横にターンして打ってあげないといけないんです。

そのためには右手を出してフォアボレーをするときに、右足を前に踏み込んでしまうとまずい。

体が真正面を向いてしまうからです。

ソフトテニス経験者は逆の足がつい出てしまうことが多い。そこを改善していく必要があります。

 

立ち位置について

前に詰めすぎてはいけません。もちろん、強いペアの前衛ほど前に構えているんですが、よほど背が高いか、コートカバーリングが良くない限りは、前に詰めすぎないことです。

少なくとも、ソフトテニスの前衛ほど前に立つことはないと思ってください。

理由は次の項目でお話しします。

 

なぜ違いが生まれるか

 

そもそも、なぜソフトテニスとテニスでこのような打ち方の差が生まれるかということなんですが、一番の理由はロブを打たれた時の対応にあると私は考えます。

 

前衛が頭の上を抜かれたときに、後衛が走ってカバーしに行く、いわゆる「チェンジ」ですね。

その際、ソフトテニスの場合、ボールの性質上、ボールはバウンドした後に大きく減速します。

ですから、後衛は前衛が頭の上を抜かれても余裕をもって追いつけます。

 

これが(硬式)テニスの場合、前衛がロブで頭の上を抜かれた場合、致命傷になることが多いのです。

ボールはバウンドした後もソフトテニスのボールほど減速しません。

トップスピンロブなんかで前衛が頭の上を抜かれたら、後衛はまず追いつけないんですね。

 

ということは、テニスの場合、前衛はロブで頭の上をやすやすと抜かれないように、ある程度ロブを警戒したポジショニングが必要ということです。

そうすると、ソフトテニスの前衛に比べたらネットからやや下がった位置に構えるようになります。

すると、何が起きるか。

ネットから少し下がっていることで、相手に足元を狙われるようになるのです。

そう、ここでローボレー・ハーフボレーという技術が必要になってきます。

ローボレー・ハーフボレーはウエスタングリップではむつかしいんです。

コンチネンタルグリップでなければまず打つことはできない。だからグリップを変えなくてはならないんです。

 

うまくなるのは変わること

 

ソフトテニスからテニスに転向された方、いいですか。

 

うまくなることは変わること」です。

 

よくソフトテニスをされていた方が言われるのは、長年ソフトテニスの打ち方をやってきたから今さら変えられない。

ということです。

そうではありません。

大きく変えられないのであれば、大きくうまくなることなどありえません。

大きく変えないのであれば、車のマイナーチェンジくらいの違いしか生まれないでしょう。

トヨタのプリウスの2016年版と2018年版の違いなんて素人にはわからんでしょう?

マイナーチェンジしかしなければ、誰もあなたがうまくなっているとは思わないのです。

 

これは以前に書いたソフトテニス経験者向けのバックハンドに関する記事にも書いたことです。

ソフトテニスとテニスのバックの打ち方

https://mindtennis.net/2018/05/05/backhand-3/

ぜひこちらも参照してください。

 

ウエスタングリップで(硬式)テニスのボレーが打てるようになることを練習するよりも、コンチネンタルグリップに変えることを練習する方が何倍も楽なのです。

 

ソフトテニスの打ち方に固執して練習しても、おそらく10年たってもまともなボレーは打てないでしょう。

それなら半年とか、1年ぐらいかけて、打ち方から直していった方が早いのです。

最初は不快だと思いますよ。

ソフトテニスをしていた方にとって最も快適にポーチボレーを打てるウエスタングリップを禁止するのは。

 

ただ、本当にうまくなりたいのであれば、絶対にグリップは変えてください。

あなたは、本当にうまくなりたいから、この記事をここまで読んでくださったわけですよね?


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まとめ

 

今回の記事はソフトテニスから(硬式)テニスへ転向された方、主に高校生などを対象に書いたものですが、そうでない方にもいくらか参考になる部分があれば幸いです。

 

なお、詳しい打ち方、お手本についてはこんな本を参考にしてみてください。

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感想(13件)

最近の本はDVDなんかもついていて親切です。

 

よくよく吟味あるべきものなり。

 

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