ドミニク・ティエム選手に学ぶテニス

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はじめに

 

2018年全仏オープンテニス、今まさに熱い戦いが繰り広げられているわけですが、大会もいよいよ終盤。

 

残念ながら、我らが錦織圭選手は敗れてしまいましたが、1回戦から3回戦まで、地元フランスの選手をアウェーの空気の中で次々と撃破するあたりはさすがでした。

やはり、錦織圭選手のメンタル・マインドの部分は超一流だと感じさせられました。

 

そしてもうケガの影響などもほとんど感じられませんでしたね。

勝てない相手はいない」そんな強い錦織圭選手が戻ってきた。

という印象でした。

 

ただ、残念ながらティエム選手との戦いで、ラケットを投げつけたのはちょっといただけない。

ラケットを投げる行為がどのような影響を与えるかということを以前書いたことがありますが、ぜひこちらもお読みください。

https://mindtennis.net/2018/05/22/mental-11/

 

あそこをがんばってこらえてほしかったと個人的には思います。

 

たしかに今回対戦したティエム選手は、錦織圭選手がラケットを投げつけたくなる気持ちもわからないでもない、そんな憎らしいほどの強さを持っていました。

 

今季クレーで王者ラファエル・ナダルに唯一勝ったのがティエム選手。

 

なぜここまで強いのかを考えてみました。


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ドミニク・ティエム選手

 

ドミニク・ティエム選手、あるいは「ティーム」選手と表記されることも。

 

オーストリア出身の24歳(2018年現在)。

錦織圭選手が28歳ですから、4歳年下ということですね。

 

185センチ、81キロと体格的にはロジャー・フェデラー選手、ラファエル・ナダル選手とほぼ同じくらいなんですね。

190センチを超える大柄な選手も珍しくない男子テニスツアーの中では特別大きな選手ということはないです。

むしろ平均的な体格の選手と言ってもいいかもしれません。

 

右利き・片手打ちバックハンド

 

そう、この片手打ちバックハンドがティエム選手の大きな特徴です。

 

片手打ちバックハンドの名手と言えば真っ先に、フェデラーワウリンカガスケなどが思い浮かびますが、次世代の片手打ちバックハンドの名手として、確実に台頭するであろう選手は間違いなくこのティエム選手、あるいはシャポバロフ選手でしょうか。

 

両手打ちバックハンド全盛の時代になぜティエム選手は片手打ちバックハンドで戦えるのか。

その秘密について考えてみます。

 

片手打ちバックハンド

 

ボールスピードが高速化している現代のテニスにおいて、片手打ちバックハンドを貫くのは非常に困難です。

 

素早いテイクバックと、適切な打点に入るフットワーク、相手が打つコースに先回りする読みの鋭さ。

 

片手打ちバックハンドを高い次元で成功させるには両手打ちバックハンドよりもさらに努力が必要だと私は考えています。

 

よく私が引き合いに出すのは、剣術の話です。

「剣で槍を持った相手に勝つには相手の三倍の力量が必要である。」

要するにリーチの短い剣で槍を持った相手に勝とうとすると、それぐらい力の差がなければむつかしいよということです。

だから、足軽とか雑兵は槍を持ってる。女性は長いなぎなたを持っている。

刀を下げた武将だって、本気で相手をやっつけようと思えば槍を使うのです。刀は名誉のための飾り。それぐらいの感覚です。

 

何が言いたいか。

両手打ちバックハンドと片手打ちバックハンドの関係性もそれに近いものがあります。

 

両手打ちバックハンドの選手に片手打ちバックハンドで対抗しようと思えば、相手の三倍の力量がいる、、、

とまでは言いませんが、両手打ちバックハンドの選手より、明らかに練習量が必要ですし、よりフットワークなども必要なのは間違いないのです。

 

ところが多くの方がそれを理解していない。

①両手打ちバックハンドがなんだか窮屈で打ちにくいから、仕方なく片手打ちにしている。

②ソフトテニスの出身で今まで片手打ちだったからなんとなく片手打ちにしている。

③片手の方がリーチが長く使えるので、両手打ちよりも動かず楽ができるから片手打ちにしている。

④なんとなく見た目がかっこいいから片手打ちにしている。

 

両手打ちを選ぶか片手打ちを選ぶかはもちろん自由ですが、「勝てるテニス」を目指すのであれば、上記のような考え方で片手打ちを選択するのは愚の骨頂です。

 

ソフトテニスからテニスに転向された方向けには、バックハンドについての記事を以前書きましたので、こちらも参考にしてください。

https://mindtennis.net/2018/05/05/backhand-3/

 

ティエム選手はなぜ片手打ちで勝てるか

 

答え:センス(笑)

 

と書いてしまっては元も子もありません。

 

もちろん、ティエム選手があれほどのバックハンドを打てるのは異次元のセンスがあるからに違いありませんが、それだけが答えなら、我々がそこから学ぶことは何もありません。

 

ちょっと彼のバックハンドを見てみましょう。

動画はリンクが切れていたらすみません。(切れていたらYouTubeなどで検索してください。)

 

いかがでしょう。お分かりいただけますか。

 

見ていただきたいのは前後のフットワークです。

バックハンドのときに思いっきり後ろまで下がって打ったり、ベースラインの中まで踏み込んで打ったり。

 

トップの選手ですら、これほどまでに一生懸命動いて正しい打点を確保しようとしているのです。

片手打ちバックハンドはラクではありません

 

もし、片手打ちバックハンドを選ぶのであれば、それを覚悟してください。

 

ティエム選手のサーブ

 

もう一つティエム選手の強さの秘密についてお話ししましょう。

 

それは、サーブです。

 

サーブならティエム選手よりも速いボールを打つ選手はいくらでもいます。

 

しかし、ティエム選手の打つサーブの強さ。その秘密はスピードではありません。

バウンド後の変化こそがその強さの秘密なのです。

 

バウンド後に強烈にキックするスピンサーブ。

 

おそらく、アマチュアレベルでは手も足も出ないでしょう。

あれほどのキックサーブを打てる選手はそう多くいません。

 

大きく反り返って打つキックサーブ。

ティエム選手の体幹の強さがそれを可能にしています。

ファーストサーブでもセカンドサーブでもあれだけキックさせられると、リターン側はそう簡単に攻め込めません。

 

実はこれ、かつてアンドレ・アガシ選手がやっていた戦術に非常に似ているのです。

 

アガシ選手は、強いセカンドサーブを持っている選手こそが強いと考え、キックサーブをとにかくたくさん練習していました。

実際、当時アガシ選手よりも速いサーブを打てる選手はいくらでもいたのですが、強烈にサイドにキックするアガシ選手のサーブはスピード以上の脅威を持っていたのです。

 

ティエム選手はファーストサーブからこの強烈なキックサーブをよく使います。

 

リターン側は、「ティエム選手が片手打ちバックハンドなので、バックハンド側に深い球で攻撃してやろう」と思っても、そんなに簡単にはいかないわけです。

 

ティエム選手はこの強烈なサーブと相まって片手打ちバックハンドで成功しているとも言えるのです。

 

ティエム選手の使用するギアについて

 

ティエム選手の使用するラケットはバボラのピュアストライク18×20

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がっちりとした打ちごたえのツアー選手向けモデル

 

こちらはストリングパターンが16×19のやややわらかめのモデル。

バボラ 2017 ピュアストライク16×19(305g)101282/101315(海外正規品)(Babolat Pure Strike16*19)【2016年10月発売】[☆nc]

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ウインブルドン限定カラーもあります。

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これらのピュアストライクシリーズについては以前記事を書きました。

 

当講座の人気記事の一つですので参考にどうぞ。

https://mindtennis.net/2018/02/21/racket-8/

 

ティエム選手の使用ストリングは以前、バボラのRPMブラストだったのですが、

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今季からこのRPMブラストラフになっているそうです。

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ストリングのカラーがあきらかに変わりましたよね。

 

よりスピンがかかりやすい加工がされているとのことです。

それがあの強烈なバックハンドのスピンと、サーブのキックを生み出すのに貢献しているのかもしれませんね。

 

そしてウェアはアディダス

今回のフレンチオープンモデルはアディダスの契約選手がみな着ていますが、とにかくかっこいい。。

欲しい、、、

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それに対して、錦織圭選手のウェアなんですが、、、

 

私の勤務するスクールの生徒さんはストレートにこう言ってました。

「ダサい、、、」(笑)

いや、私もはっきり言いませんが(笑)

まあ、そのあれですね(笑)

 

ぼろは着てても心は錦織。

 

いや、余計なことは言うまい(笑)


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まとめ

 

片手打ちバックハンドを志す方はぜひティエム選手から学びましょう。

 

ただ、学ぶとすればフットワークをしっかりと見て真似ること。

 

そういう思いから、この記事はバックハンドストロークのカテゴリーだけでなく、フットワークのカテゴリーにも入れています。

 

よくよく吟味あるべきものなり。

 

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