ガットのテンションとは? テンションで何が変わるの?
この講座は、
「読むテニスの教材」として、
テニスのレベルアップに役立つ情報や、
テニスの上達法、テニスの練習法、
最新のテニスグッズなどを紹介していきます。
今回はガット(ストリング)の話です。
みなさんは、
ガットのテンションをどうしてますか?
何ポンドで張りますか?
初心者の方は、
張替えの際に、
「テンションはどうしましょう?」
と聞かれても、
「え?あのー、、、お任せで。」
という方が多いと思いますが、
それじゃもったいないです。
今回はガットのテンションについて
学んでおきましょう。
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ガットのテンション
というのは、
ガットを張るときに、
糸をどれくらいの強さで
引っ張りながら張るか、
ということです。
強く引っ張って、硬く張る場合と、
緩く張る場合では、
当然、ボールを打ったときの感触や、
ボールの飛び方も変わってきます。
一般にテンションが高い場合と、低い場合で
以下のような差が生まれます。
①打感
高い・・・硬い打感に
低い・・・柔らかい打感に
②ボールの弾き
高い・・・よく弾くような感触
低い・・・食いつくような感触
③ボールの飛び
高い・・・ボールが飛ばなくなる
低い・・・ボールがよく飛ぶ
ボールの飛びに関しては、
これを逆だと思っている方が結構います。
緩い方が、ラケットの面が、
トランポリンのようにたわむ。
それでボールがよく飛ぶのです。
反対に硬く張ると、
ラケット面が板のようになって、
ボールが飛ばなくなります。
テンションは、
どれくらいが標準か?
これは非常に大事な知識になります。
これを知らないと、
数値で何ポンドとか言われても、
全く意味が分かりません。
この標準のテンションというのは、
いろいろ言う人もいますが、
おそらく、
50ポンド
ぐらいが標準だと思います。
キリがいいですし、
みなさんは、
50ポンド
と覚えておいてください。
これを基準にして、
もっと硬い方がいいという方や、
力が強い男性は、
53ポンドくらいで張ったり、
逆に、女性や非力な方であれば、
48ポンドくらいで張ったり、
いろいろ張り替えるたびに調整しながら、
自分にとってのベストテンション
を見つけていけばいいのです。
ちなみに私は57ポンド
前後で張っているので、
かなり硬めですね。
なぜそんなに硬く張っているのかというと、
ラケットがピュアドライブなので、
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ボールの飛び自体は十分にあるからです。
ラケットがよく飛ぶ上に、
テンションまで低いと、
かなりの技術がないと、
飛びすぎて、
ボールをうまくコントロールできません。
後に紹介しますが、
錦織圭選手は一時期、
かなり低いテンションでガットを張っていました。
あれは、錦織圭選手の技術があってこそ。
一般のプレーヤーは真似できないでしょうね。
さて、このテンションの違いなのですが、
何ポンド変えれば違いがはっきり出るか。
と言わると、
おそらく3ポンドくらいじゃないかと。
正直、1ポンドの違いは、
よほど繊細でなくてはわからないでしょう。
2ポンド違えば、私も言われたらわかるレベル。
言われなかったら気づかないかも。
でも、3ポンドなら打ったらわかります。
たまに0.5ポンド刻みで変えている選手もいますが、
たぶん、ほとんど気持ちの問題。
おまじないくらいの効果しかないと思います。
錦織圭選手が一時期、
極端なローテンションでガットを張っていました。
なんと30ポンド台。
40ポンド台でも緩く感じますが、
30ポンドなんていうと、
ほんとにビヨンビヨンの緩さ。
まあ、この記事にもありますが、
あまりおすすめはできません。
錦織圭選手とは真逆で、
かつての名選手、
ピート・サンプラス選手は、
あまりにも高いテンションで
ガットを張っていたことで有名です。
そのテンション、
なんと、80ポンド!!!
ただ、これには理由がありまして、
サンプラス選手が主に活躍した1990年代、
当時は今のようなポリストリングはまだ一般的ではなく、
プロの選手が使うのはナチュラルストリング。
ボールを叩き潰して打つために、
ラケット面を鉄板のように硬くしたかったのでしょう。
それでこんな極端なハイテンションだったのだと思います。
現在のプロテニス選手の間では、
ポリストリングが当たり前に使われるようになり、
極端なハイテンションの選手は減りました。
ですが、
相変わらず、プロの選手には、
60ポンド前後で張ったりしてる選手もいます。
ダスティン・ブラウン選手という選手が、
特にハイテンションで有名ですが、
彼は70ポンドぐらいで張っているそうです。
詳しくはこちら。
まあ、真似するようなもんではないです。
ダスティン・ブラウン選手を
真似できる人などいないです(笑)
さて、もう一つ大事な話。
みなさんにはガットを3ヶ月に1回、
それが無理でも半年に1回は変えて欲しいという話を前にしました。
その理由は、
暑い時期と寒い時期では、
ガットの感触が変わるからなんです。
もっと言うと、
ボールだってゴムでできているんですから、
夏と冬では質感が変わりますよ。
それに合わせて、
ガットのテンションを変えて調整するのは、
当たり前のことだと思って欲しいのです。
ぜひ、先の動画を見ておいてくださいね。
さて、もう一つ、
これは遠征や、合宿などに行く方に向けた話。
プレーする場所の標高、気にしてますか?
標高が高いと気圧が低くなります。
よく、富士山の山頂付近だと、
ポテチの袋や、カップラーメンの容器が、
パンパンに膨れ上がっているのを
テレビや雑誌なんかで見ませんか?
テニスボールにも全く同じことが起こります。
標高が高いところに行くと、
テニスボールは、
パンパンに空気が張っている状態になり、
よく飛ぶのです。
普段平地でプレーしている方が、
少し標高の高い、
軽井沢なんかのリゾートでプレーすると、
ボールがよく飛んで、
あれ、何かいつもと違う、、、
と思われたりするのです。
それは決して、
旅行気分でテンションが上がって、
(ここでいうテンションはガットのテンションではないです(笑))
ボールが飛んでいるわけではないのです。
単純に気圧の問題です。
ですから、
標高が高いところで試合に行くなら、
事前にガットを2~3ポンド高く張るとか、
ボールの飛びを抑えるための、
それなりの準備が必要なのです。
私が選手のときにやっていたのは、
試合の前に、試合会場の標高とかを調べ、
だいたいの気温を調べ、
ガットを張り替えて調整をするのです。
これが選手にとって当たり前の準備です。
競技レベルの選手なら、
これくらい考えているものなのです。
いかがでしたでしょうか。
ガットのテンションに関して、
少し興味を持ってもらえたでしょうか。
みなさんも自分自身のプレーの質を
上げるため、
一度自分自身のラケットのテンションを
見直してみませんか?
よくよく吟味あるべきものなり。
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