徹底比較! バボラ RPMブラスト/ブラストラフ  

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はじめに

 

この講座は「読むテニスの教材」として、

みなさんのテニスのレベルアップに役立つ

テニスの上達法や、

最新のテニスグッズの紹介をしていきます。

 

今回はストリングの話です。

 

バボラブラストラフについて、

徹底的に検証してみたいと思います。

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バボラ ブラスト ラフとは

 

バボラ ブラスト ラフ 

Babolat BLAST ROUGH


バボラ社から、

2017年2月に発売された

最新ストリングです。

 

今まで高い人気を誇った

RPMブラストと同じ形状のストリングをベースに

エンボス加工(型押しにより表面を凸凹にする加工)をし、

よりスピン性能を高くすることに成功したとのこと。

 

実はこのエンボス加工というのは

真新しい技術でもなんでもなく、

他のストリングメーカーも既にやっています。

 

有名どころでいうと、

ルキシロンアルパワーラフがそうですね。


このアルパワーラフは

ロジャー・フェデラー選手

愛用することでも有名です。

 

それゆえ、

このストリングは発売されてからずいぶんと経ちますが、

いまだにベストセラーモデルとなっています。

トッププロの選手にもこのストリングの愛用者は多いです。

 

最新のポリストリングの方が

テンション維持性能とか、柔らかい打球感とか、

トータルの性能は上がっているのにも関わらずです。

このアルパワーラフもブラストラフと同じく、

もともと存在するアルパワーに、

エンボス加工を施したものなのですが、

エンボス加工をすることにより、

ストリングに一度プレスがかかるせいか、

アルパワーよりもアルパワーラフの方が

打感が柔らかいのです。

 

ロジャー・フェデラー選手も、

その柔らかい感触がお気に入りなのかもしれません。

 

ただ、

このアルパワーラフにしろ、

アルパワーにしろ、致命的な弱点があるのです。

それはテンション維持性能の低さ。

 

張りたての打感はめちゃくちゃいいのですが、

3日か4日経っただけで、

あれ?

最初の打感はどこへ行ったんだ?

と思ってしまうほど、

弾力がなくなって打感が変わってしまうのです。

 

トッププロなら関係ありません。

彼らは試合の前にすべてストリングを張り替えに出すのですから、

彼らのラケットのストリングはいつも新鮮です。

だから、最高の打感を持つアルパワーをプロは使うのです。

ところが、アマチュアはそうはいかない。

 

毎日のように練習する選手でも、

1ヶ月、2ヶ月くらいストリングが切れない

ということは当然あります。

ある程度テンション維持性能がないと困るのです。

 

ポリのストリングで

テンション維持性能が高いものは

こちらの記事でも紹介していますので、

ぜひ参考にしてください。

ポリエステルのストリングって本当に1ヶ月で伸びるの?

https://mindtennis.net/2018/08/24/string-4/

 

ポリエステルのストリングを使いたいけど、

テンション維持性能が気になるという方、

そんな方には、

ぜひこのブラストラフを張ってみてもらいたい

と思います。

アルパワーが発売された当初と比べて、

ポリエステルストリングのテンション維持性能は

ずいぶん進化しました。

使ってみていただけると、

昔のポリに比べて、

新鮮な状態が割と長く続くなと感じていただける

と思います。

 

ブラストラフ使用プロ

 

さて、

このブラストラフ

プロの選手だと、

ドミニク・ティエム選手が使用しています。

ティエム選手については以前こんな記事を書きました。

 

ぜひこちらもお読みください。

ドミニク・ティエム選手に学ぶテニス

https://mindtennis.net/2018/06/05/backhand-4/

 

ブラストラフは、

3色のカラーバリエーションがありますが、

ティエム選手が使うカラーは、

このブラストラフのフルオレッド


以前ティエム選手は、

この後で紹介する

RPMブラストを使用していたのですが、


最近になってブラストラフに乗り換えたようです。

印象的だったのは、

2018年のATPファイナルズ。

 

ティエム選手は、

いつもブラストラフとナチュラルガットのハイブリッド

のストリングを使用していたそうですが、

いまいち調子が上がらない。

 

ATPファイナルズで使用されている

コートサーフェスが速すぎて、

ボールをうまくコートにおさめることができない。

そこで、ティエム選手がとった対策は、

ストリングのテンションを普段よりもかなり高い

60ポンドくらいまで上げて、

ハイブリッドをやめて、

縦糸・横糸ともにブラストラフにするというものでした。

 

この調整が大当たり。

 

ティエム選手は、

最後の試合となる錦織圭選手との試合において、

素晴らしいパフォーマンスを発揮し、

勝利をおさめたのでした。

試合後、

フルオレッドのカラーのストリングが張られたラケットを

高々と掲げて笑顔で写真に写るティエム選手が印象的でした。

 

まさに、このストリングのおかげだといわんばかり。

 

みなさんもぜひ、

このストリングを一度張って、

その性能を体感してください。

お試しならこのような単張り(一本分)がおすすめです。


さて、

次はRPMブラストについてお話しします。

 

RPMブラストとは

 

バボラ アールピーエムブラスト 

Babolat RPM BLAST


バボラのRPM BLAST(アールピーエム ブラスト)

と言えば、

バボラのポリエステルストリングの代表格

ともいえるストリングですね。

 

丸みをおびた八角形の断面形状で、

ストリングの可動域が大きく、

スピンがかかりやすい

という特徴を持っています。

 

打感もポリエステルストリングとしては、

かなり柔らかい感じです。

 

ブラストラフと比べると、

ボールがパーンと弾けるように飛んでくれます。

ブラストラフよりも飛びはいいですし、

打感もブラストラフが

手元にグッとボールが乗っかって重たく感じるのに対して、

RPMブラストの方は軽快な感じです。

 

スピンのかかり具合はブラストラフの方が上なんですが、

ボールスピードで考えると、

RPMブラストの方が断然上だと思います。

 

RPMブラスト使用プロ

 

さて、

そんなRPMブラストを使用するプロと言えば、

なんと言っても筆頭は、

ラファエル・ナダル選手

バボラとともに開発に携わったと言われていますので、

当然ですね。

ナダル選手が使用するのは、

RPMブラストの135ゲージと言われています。

 

135ゲージなんて、

他の製品ではあまり見かけないですよね。

あのナダル選手の

強烈なスピンボールに耐えれるような

耐久性のあるストリングとなると、

135ゲージというのは必然なのかもしれません。

 

ただ、

ナダル選手が、お金がもったいないから

切れにくいストリングを張っているのかとというと、

そんなはずなどないのです。

現在のナダル選手であれば、

細いゲージの方が打感が良くて好きであれば、

当然細いストリングを使うに決まってるのです。

メーカーが何本でも無償で提供してくれるでしょうから、

「節約のために」

太いストリングを使う

なんてことはあり得ないのです。

 

おそらく、

ナダル選手はジュニアの頃から

太いストリングを使い続けて

その感触慣れてしまったので、

今さら細いストリングに変えることを好まないのでしょう。

ナダル選手は好きで135ゲージを使っているのです。

ちなみにナダル選手が使っているとされるRPMブラスト、

実は本当の中身は

プロハリケーンツアーではないか

という噂もあります。

 

真偽は定かではありません。


さて、

もう一人RPMブラストを使う有名プロ選手と言えば、

スタン・ワウリンカ選手です。

YONEX契約なのに

ストリングはかたくなにRPMブラストを使っている

と言われています。


YONEXとしては、

YONEX製のポリストリングを使ってもらいたい

という苦々しい想いでいると思うのです。

 

YONEXにはポリツアープロなどの

素晴らしいストリングがありますからね。


YONEXは苦肉の策として、

ポリツアープロなどのストリングに

ブラックのカラーバリエーションを追加しました。

メーカーとしては、

この黒いストリングを発売することで、

ワウリンカ選手が

あたかも使っているかのような感じ

を醸し出したいのだと思うのですが、

それは深読みしすぎでしょうか。

 

最近はポリツアーストライクという

ブラックの新しいポリストリングも

発売されました。


ともかく、ワウリンカ選手は、

これらのストリングを使用し始めた

という情報がないため、

おそらくいまだにRPMブラストを

使い続けている

と思われます。

そもそもスピンはどうかかるのか

 

さて、今回の記事で扱った、

RPMブラスト/ブラストラフですが、

そもそもスピンはどうかかるのでしょうか。

そしてどうすればより

強いスピンがかかるのでしょうか。

その原理をひもとくキーワードとして大事なのが、

「スナップバック」です。

 

スナップバックというのは、

この写真の図を見ていただければ

おわかりいただけると思います。

ストリングにボールが当たった瞬間に

ストリングが横にずれています。

ずれたストリングはもとに復元しようとします。

そこでスピンがかかる。

これがスナップバックです。

 

先にも少しお話ししましたが、

RPMブラスト/ブラストラフは、

ストリングの断面が、

丸みを帯びた八角形になっています。

これにより、

ストリング同士の摩擦が軽減され、

より大きなスナップバックが起こるのです。

 

スピンがかかりやすくするために、

断面をギザギザの多角形にするストリングは

多々あります。

例えば、テクニファイバーの

ブラックコードが筆頭ですね。


また最近はソリンコのハイパーGも

この手のストリングの人気商品です。


ハイパーGについて詳しくは、

こちらの記事をお読みください。

新興勢力!?ソリンコ ハイパーG の実力

https://mindtennis.net/2018/05/25/string/

 

最後に今回紹介した

RPMブラスト/ブラストラフの

いずれを選択するべきかについてお話しします。

 

RPMブラスト/ブラストラフの比較
両者のいずれを選択するかは、
プレースタイル、
好みの打感などにより変わるかと思います。
まずは両者の性能を順に見てみましょう。

 

スピン性能
こちらはブラストラフに軍配。
やはりエンボス加工による引っ掛かりの良さはたしかに効果を感じられるレベルです。

 

ボールスピード

こちらはRPMブラストに軍配。

プリプリと弾力のあるブラストの打球の威力は打った本人の想定を超えることもあります。

 

打感のやわらかさ

こちらはブラストラフに軍配。

やはりエンボス加工で少し柔らかくなっているのだと思います。

 

総評

ブラストラフの方がボールが飛びにくい分、しっかりスイングをするようになる傾向にあるかと思います。

スイングスピードが上がった結果スピンがかかるという効果も当然あると考えられます。

思い切ってボールをひっぱたけるのはブラストラフではないでしょうか。

 

結論

 

ビッグサーバーや、

ボレー主体のプレーヤーはブラストがおすすめ。

なんせあの世界最速サーブを放った

サミュエル・グロス選手だって、

RPMブラストを使っていたようです。

 

ストローカーブラストラフがおすすめ。

じっくり回転をかけながら

攻めていくのであれば、

ブラストラフは大きな武器となるでしょう。

ちなみにRPMブラストが

ストローカーに向かないわけではないです。

こちらを使えば、

威力のあるボールで

ガンガン攻めていくようなプレーの方にも

満足していただけることと思います。

 

まとめ

 

RPMブラスト/ブラストラフ

いずれも一度試してみる価値ありです。


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