ヘッドやフォルクルのテニスラケットの扁平グリップ形状について
この講座は、
「読むテニスの教材」として、
テニスのレベルアップに役立つ情報や、
テニスの上達法、
テニスの練習法、
最新のテニスグッズ
などを紹介していきます。
今回はグリップの話です。
グリップサイズの話を先日しました。
各メーカーによって、同じグリップサイズでも、太さはまちまちです。
詳しくは先ほど紹介した記事をご覧ください。
そして、さらにマニアックなお話をしますと、実は各メーカーのグリップの形状には微妙な違いがあることをご存知でしょうか?
今回の記事では、相当マニアックな話をするので、わからない方はスルーしてもらってオッケーです。
テニスラケットのグリップの形状というのは、通常八角形になっています。
これが五角形だったり、四角形だったりするということは一切ありません。
そんなキテレツなラケット誰も使いたくないですよね。
また、もしラケットのグリップの形状が完全に〇だったとしたら、ラケットの角がないため、全く面の向きを感じ取れなくなってしまいます。
グリップの形状が八角形であることには意味があるのです。
というわけで、「形状が違う」というのは、同じ八角形の中でも微妙に形が違うということなのです。
ほんのわずかな違いでしかないのですが、これが非常に大きな意味を持ちます。
人間の手って繊細ですから、その違いの影響は本当にシビアなのです。
で、具体的にどう違うのかというと、各メーカーがある中で、メーカーごとにグリップの形状に特徴があります。
7大テニスラケットメーカーとして、過去に各メーカーを紹介したことがあります。
その中でも、高いシェアを誇るヘッドのグリップはやや扁平な八角形なのです。
またこの7大テニスラケットメーカーの中には含まれていませんが、知る人ぞ知るラケットメーカー、フォルクルなんかのグリップは、かなり扁平な感じがします。
フォルクルって使っている人、今は少なくなりましたね、、、
C‐10とかは、非常にファンの多いラケットだったんですが、今はあまり使用する選手を見かけません。
いいラケットなんですけどね。
その商品が売れるかどうかは、性能の問題ではなく、プロモーションの上手い下手による部分がかなりあるということです。
こんどフォルクルのラケットについては、改めて記事を書いてみます。
と、少し話は飛びましたが、ヘッドや、フォルクルのラケットってグリップが扁平で潰れた八角形なんですよ。
これに対して、ウィルソンのグリップなんかは丸いグリップに近い形かなーと感じています。
ヨネックスにしても、バボラにしても、ダンロップにしても、テクニファイバーにしてもプリンスにしても、大体グリップの形状って、ヘッドのように扁平ではないですよ。
ようするに、こちらの方が多数派なわけです。
で、それが違うと何が起きるかということなんですが、テニスを始めたときに、はじめからヘッドしか使ってなかったとか、はじめからウィルソンしか使ってなかったという方が、「ヘッド→ウィルソン」とか、「ウィルソン→ヘッド」というようなラケットの変更をすると、違和感を覚えると思うのです。
「ラケットを替えたらなんか調子が悪くなった」
ということが起こりやすいのです。
とくにヘッドの扁平なグリップは、長年テニスのメーカーの中で相当な異端児という印象でした。
先に紹介した7大テニスメーカーの記事でも紹介したのですが、ヘッドは決してマニアックな少数派のブランドではないのにも関わらず、グリップの形だけはずっと尖った異端児だったのです。
「異端児だった」と書いたのにはわけがあります。
実は、最近になって、このヘッドの異端のグリップ形状は、多数派の一般的な形に改められ、扁平なグリップ形状ではなくなったのです。
ヘッドのラケットと言えば、グリップが扁平な独特の形状という印象だったのですが、最近のヘッドのラケットは、そのような形状ではなく、一般的な形状になってきているのです。
ヘッドが事実上、多数派に歩み寄った形になるのですが、なぜこのようなことが起こったかというと、きっかけはジョコビッチ選手ではないかと私は考えています。
ジョコビッチ選手のラケットについては過去にも記事を書いたことがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ジョコビッチ選手のラケットと言えば、ヘッドのスピード。
今は数多くのトッププロが使用するヘッドのスピードも、はじめはジョコビッチ選手のためのパーソナルモデルという感じでした。
今で言うと、グラビティシリーズが、アレクサンダー・ズベレフ選手のパーソナルモデルという感じですが、それに近い感じですかね。
とにかくヘッドはそれだけジョコビッチ選手を優遇したのです。
実は、ジョコビッチ選手がまだまだ若手と言われていた頃、ヘッドのラケットの前には、ウィルソンのラケットを使っていたのです。
将来のレジェンドプレーヤーとの期待がかかるジョコビッチ選手を、ヘッドは破格の待遇で迎え入れます。
しかし、長年ウィルソンのラケットを愛用してきたジョコビッチ選手。
ヘッドの扁平なラケットになじめなかったに違いありません。
ヘッドのスピードだけは、扁平なグリップ形状ではなく、ウィルソンのような丸みを帯びたグリップになったのです。
別にジョコビッチ選手の使用する特注ラケットだけを一般的な形状にすれば済んだはずなんですが、ヘッドは律儀に、市販モデルのスピードシリーズにも、一般的な形状のグリップを採用します。
そういった意味では、ヘッドというメーカーは、非常に律儀で誠実な感じがしますね。
そんなわけで、ヘッドのラケットの中でも、スピードシリーズだけは、グリップが一般的な形状に近い状態でした。
それでも、ヘッドのラケットのうち、プレステージシリーズや、ラジカルシリーズは、頑なに昔の扁平のグリップ形状だったのです。
同じメーカーが作るラケットであるにもかかわらず、二種類のグリップ形状が存在する。
ヘッドのラケットはしばらくそんな状況が続きました。
そして、ヘッドのラケットユーザーにも、伝統の扁平グリップを好むプレーヤーと、一般的な形状のグリップを好むプレーヤーとが二分する形になったのです。
ヘッドはそんな状況の下で、このような商品を発売します。
ヘッド パレット
パレットと言って、グリップの形状を変えられるアイテムなのです。
扁平のグリップから、スピードシリーズのようなグリップ形状に自分でカスタマイズできるというものです。
しかし、やはり、最近では、多数派の勢いに屈したのか、今はヘッドのラケットも扁平ではない普通の形状になってきています。
ラジカルシリーズとかも、最近ではグリップの形状が一般的な形状になっちゃいました。
そのため、他メーカーのユーザーで、ヘッドのラケットを使ってみたいけど、
「グリップの形状がちょっとね、、、」
と思っていたようなプレーヤーも、違和感なくヘッドのラケットを使えるようになりました。
今までヘッドのラケットの扁平なグリップを握っても、何の違和感も感じなかったような幸せな人は、別にそれでいいからね(笑)
いかがでしたでしょうか。
ヘッドのラケットのオンリーワンな形状がなくなってきつつあるため、他メーカーからヘッドへの乗り換えは、以前よりもハードルが低くなりました。
この機会に乗り換えてみてはいかがでしょうか。
最近のおすすめは、何と言っても、最新のエクストリームシリーズ!
エクストリーム ツアーとか、めちゃくちゃいいラケットですよ。
間違いなく、今期ナンバーワンおすすめ中級以上向けラケットです。
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