最高のガット LUXILON(ルキシロン)ALUPOWER(アルパワー)レビュー
この講座は「読むテニスの教材」として、
みなさんのテニスのレベルアップに
役立つテニスの上達法や、
最新のテニスグッズの紹介をしていきます。
今回はストリングの話です。
少し前にルキシロンのオリジナルについて
記事を書きました。
https://mindtennis.net/2019/03/26/string-9/
そのルキシロンのオリジナルとともに長きに渡り
トッププロのプレーを支えている最強ストリング、
ルキシロンのアルパワーについて
お話をさせていただきたいと思います。
ルキシロンのアルパワー
正式には、
LUXILON
BIGBANGER ALUPOWER
ビッグバンガー アルパワー
20年という長い間、
トッププロに愛され続けた逸品です。
先日20周年を記念する
アニバーサリーモデルが登場しました。
そうそう、
昔こんな紫色のストリング、
ルキシロンから出てましたね。
そして、
パッケージには、
ルキシロンの爆発的ブームを生んだ張本人
とも言っていい、
「グーガ」こと、
グスタボ・クエルテン選手の写真が。
長年、ルキシロンの愛好家だった方にはたまらないですね。
このパッケージにもある
クエルテン選手の登場は
テニス界にとって衝撃的でした。
ポリエステルストリングを使う選手は、
当時もちろんクエルテン選手以外にもいたのですが、
クエルテン選手が全仏オープンの連覇
という偉業を成し遂げたことによって、
一気に使う選手が増えた
と言っても過言ではありません。
あのストリングは一体何だ?
当時ポリエステルストリングに
なじみのなかった人たちは驚いたものです。
ポリエステルストリングの登場の前には
プロの選手と言えばほぼ間違いなく
ナチュラルガットを使うものだ
と皆思っていましたからね。
最高級のナチュラルこそがプロの証。
そんな風に私も思っていました。
ところがです。
このアルパワーの登場は衝撃でした。
このストリングが、
やがて世界を席巻することになる
とは当時予測できませんでした。
クエルテン選手の衝撃からわずか数年。
世界のテニス界は一変しました。
私が大学生だったころの話です。
2002年のジャパンオープン
(のちの楽天オープンですね)
を見に行った時の話です。
世界中から一流選手と、
その卵たちが東京に集結していたのですが、
彼らの使うラケットを見て驚きました。
彼も、彼も、彼も、また彼も、
みんな揃いも揃って、
使用しているストリングが
アルパワーなのです!
世界ランキングのトップ10ぐらいに入る選手も、
100位台以下の予選組も、
みな揃ってアルパワー。
「アルパワーを使わないとダメです」
っていうルールがあるのかと思うほど、
アルパワーだらけだったのです。
世界はアルパワーの
シルバーカラー
一色に染まったかのように思いました。
ちなみにラケットは、
当時ウイルソンが選手向けに作っていた
ハイパープロスタッフ6.1だっけな、
とにかくラケットもみなこぞって
ウィルソンばかりがあふれていたように思います。
さて、そのアルパワーですが、
なぜこんなにも世界中の選手から愛されるのか
ということです。
その理由は、
ボールの威力が落ちない
ということにあると思います。
どんなストリングであっても、
ボールを叩き潰して打つときに、
パワーのロスが発生して、
ボールの勢いが落ちるのが当然なのに、
アルパワーだけは、
自分が打ったパワーがすべてボールに伝わる。
バウンド後のボールの伸びがすごい。
そんな印象を受けるストリングでした。
もっと言うと、
相手の打ったボールの勢いが減殺されずに、
そのまま跳ね返るような弾力のあるストリング。
夢のようなストリングだと感じました。
アルパワーの登場によって、
世界レベルのプロのラリーは、
まるで卓球のラリーであるかのように、
パンパン強烈な打球を浴びせるように打つ時代になった
と感じました。
そう聞くと、
みなさんも使ってみたくなるでしょう?
ぜひ単張りからお試しください。
ただ、
このアルパワー、
唯一とも言ってよい大きな弱点があります。
それはテンション維持性能の低さ。
ポリエステルストリングの宿命ではあるのですが、
最高の打感を長期間維持できないのです。
アルパワーは、
最近のポリエステルストリングのように
テンション維持性能の良さ
をウリにしたものではありません。
もっとも旬と言える最高の打感を維持できるのは、
張りたての状態、
せいぜい数日といったところです。
そんなわけでで、
アルパワーを使う方は、
こんなロールガットを買って
頻繁に張り替えることをおすすめします。
プロの選手は数日でテンションが落ちたって
関係ないのです。
彼らは試合が終われば、
使っていないラケットのストリングでも
張り替えるわけですから。
どなたかは忘れましたが、
うまいことを言われた方がいます。
「ポリエステルストリングは
戦場で使うロケット砲弾みたいなもの。
一回使ったらおしまいなのです。」
おそらくプロの選手の感覚はそんなもんです。
アマチュアの選手で、
何か月もポリエステルストリングを張りっぱなし
という方をよく見ますが、
あれは感心しません。
アルパワー使用プロを列挙してみます。
もうそんなのキリがないのですが(笑)
まずはなんと言っても、
偉大なるチャンピオン、
ロジャー・フェデラー選手。
フェデラー選手が使っているのは、
このラフ加工がされているタイプだと言われています。
またアンディー・マレー選手、
ノバク・ジョコビッチ選手
もアルパワーを使用。
BIG4と呼ばれるスーパースターの内、
3人がアルパワーを使用しているのですから、
その人気のすごさがうかがえます。
また、ぱっと思いつくだけでも、
ベルディッチ選手とか、ツォンガ選手とか、、、
もうアルパワーは
トッププレーヤーの証
みたいなもんですね。
さて、
そんな人気のアルパワーですが、
先ほどロジャー・フェデラー選手が使っているという
アルパワーラフという商品について言及しました。
これは通常のアルパワーにエンボス加工をして、
スピンがかかりやすくなったモデルです。
アルパワーにはこのような派生商品と呼べるような商品
がいくつかあります。
みなさんもご自身の好みによって
いろいろ使い分けてみてはいかがでしょうか。
アルパワーを多角形ストリング状にした
アルパワースピン
や、超ハードヒッターにおすすめの
アルパワーの1.38ゲージ
もありましたが、これらはあまり流通していません。
まあ、使う層が限られますからね。
アルパワーの派生商品でおすすめできるのは、
アルパワーラフ以外では、
アルパワーソフトと、
アルパワーフィールの
2つかな。
アルパワーソフト。
アルパワーというのは、
ただでさえ柔らかい打球感なのですが、
こちらはさらに柔らかい仕上がりです。
肘を傷めていて、
今までポリエステルストリングはあきらめていた
という方はぜひ一度試してみてください。
アルパワーフィール。
その名の通り、
タッチ感覚に優れた逸品。
ダブルスの名手を目指すなら、
これも選択肢の一つです。
と、このようにアルパワーには、
その人気からたくさんの派生商品があるのですが、
まずはこの通常のアルパワー
を試してみてください。
プロの選手もこの通常版のアルパワーを
好んでよく使います。
フェデラー選手が使っているという
ラフタイプも人気なのですが、
ボールの伸びとか、
スピードでいえば、
この通常のアルパワーの方が上です。
ラフタイプはエンボス加工をしている分、
弾力で言えば若干通常タイプに劣るのだと思います。
いかがでしたでしょうか。
発売から20年たった今も、
最高のテニスガット
と言っても良いアルパワー。
ぜひみなさんもお試しください。
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